NO.3 2010年9月13日号

◆ 平成23年度税制改正はどうなる? ◆

 平成22年度の税制改正がようやく定着してきたばかりなのに、すでに23年度の税制改正論議が始まっています。

 少し先走った話になりますが、23年度の税制改正の主なポイント3点をまとめてみましょう。

 

   

1.オーナー課税制度に代わる新税制が出現か

 オーナー課税制度(特殊支配同族会社の役員給与損金不算入制度)は、一定の要件を満たす同族会社のオーナーの対する役員給与のうち、一定額を損金の額に算入しないとするもので、特に利益が出ている同族会社に対して経済的負担を強いるものでした。

 この「悪法」は平成22年3月決算の事業年度をもって廃止となりましたが、この制度の廃止は、民主党政権の数少ない功績の一つと言えるでしょう。制度の廃止によって救われた同族会社も多かったことと思いますが、この制度、実は形を変えて23年度の税制改正の中に現れてきそうです。

 役員給与について、給与所得控除額に上限を設けるなどの新たな増税策が検討されており、今後の改正論議の行方は予断を許さないところです。 

 

 

2.相続税も格差是正に向けて増税始動か

 相続税については、これまでにも小規模宅地の評価の特例の制限や年金受給権の評価に関する節税封じ込めなどを通じて増税の方向が鮮明になってきています。

  23年度の税制改正では、さらに「格差是正」の観点から課税ベースや税率構造の見直しを行い、更なる増税策が打ち出されることが予想されます。

 

3.中小法人の法人税率の引き下げへ

 現行では、中小法人の法人税については、一定額の所得について18%の軽減税率が適用されています(原則は30%です)。

 昨年の税調では、この軽減税率をさらに引き下げる方向で議論が進んでおり、23年度の税制改正でも、この流れを受けて税率のいっそうの引き下げが行われる可能性があります。

 政府は今月9日、新成長戦略実現会議の初会合を開き、この席で菅首相は法人課税の実効税率の引き下げについて年内に結論を得るように指示しました。政府が6月に策定した新成長戦略では、引き下げの具体的な期日には言及されていませんでしたが、今回は年内の結論という期限を明記しています。

  ただ、税率の引き下げに伴う税収不足を補うための財源をどう確保するかという現実の問題もあり、議論にはなお紆余曲折が予想されます。

 

 上記以外にも、23年度税制改正項目は多岐にわたっていますが、特に上記1.のオーナー課税制度に代わる新税制が出現すると、同族会社にとっては会社運営上「一難去ってまた一難」ということにもなりかねません。

 

 今後、税制改正の動向を見極めながら、事前に対策を立てるべく早期の情報収集に努める必要があります。