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休眠会社を買い取って事業をはじめると、2年分の消費税が免除されるのはなぜか。

 友人の休眠会社を買いとって事業をはじめた。資本金は1000万円である。事業を開始した時の資本金が1000万円以上だと開業当初から消費税がかかると聞いていたが、税理士は、当期は消費税がかからないと言った。なぜか。 


 休眠会社の場合は、 基準期間の課税売上高が0円又は僅少であるから、資本金が1000万円以上でも、事業を開始してから2年間は消費税の納税義務がない。

        

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 株式会社の設立には、資本金の払込みや公証人の認証などの資金負担を伴うが、この資金を調達できない等の理由で、既存の休眠会社を買取って事業を開始することが行なわれる。

 このケースでは、休眠会社の法的な人格は新しい事業に引継がれることになるから、基準期間の課税売上高によって消費税の免税の可否を判定することになる。休眠会社の場合、一般に売上は発生していないから、基準期間の課税売上高は1000万円以下になる。

 したがって、休眠会社を買取って事業を開始した場合の、開始以後2年間の事業年度については消費税が免税になる。

 

 休眠会社の株式を買取り、商号を変え、役員を全て入換え、さらに会社の目的を変更すると、実質的には新たに会社を設立したのとなんら変わらないことになるが、このような場合でも休眠会社の法的な人格が継続していることに変わりはない。

 ただ、リスクもある。他人の会社を買取る場合、その会社に簿外の債務があるような場合は危険である。税務上有利であってもそれだけの理由で安易に休眠会社を買取るものではない。

 又、休眠会社は青色申告が取消されている場合が多いから、新規の事業を開始した最初の事業年度に発生した欠損金が翌事業年度以降に繰越せないという税務上のデメリットもある。 

 

上記の記述は、2010年6月10日現在の法令・通達等に基づいています。その後の税制改正や個別事情により、異なる課税関係が生じる場合がありますのでご注意ください。

2010.6.10