取引には、国内取引と国外取引、事業として行う取引と私的な取引、有償の取引と無償の取引など、様々な形態があるが、消費税はこれらのうちどのような取引に対して課税されるのか?
消費税は、国内において、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等、及び輸入取引のうち、非課税取引以外の取引に対して課税される。
即ち、下図の通りである。
国内において、事業者が事業として行う取引 |
資産の譲渡等 |
非課税取引 (消法6条1項) |
輸出等免税取引(消法7条等) | ||
課税取引 | ||
資産の譲渡等に該当しない取引(不課税取引) | ||
輸入取引 | 非課税取引(消法6条2項) | |
課税取引(課税貨物の引き取り) | ||
国外において行う取引(不課税取引) |
1.国内取引
消費税の課税対象には、まず、国内において事業者が行う資産の譲渡等がある。ここに資産の譲渡等とは、事業として対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供を言うが、非課税として限定列挙されている13の取引(消法第6条第1項 別表一)は除かれる。
即ち、国内取引においては、次の全てを満たす取引のうち、非課税とされる取引以外の取引が消費税の課税対象
になるのである。
① 国内において行われる取引であること
② 事業者が事業として行う取引であること
③ 対価を得て行われる取引であること
④ 資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供であること
したがって、日本人が外国で資産を譲渡しても、国内において行われた取引ではないから消費税の課税の対象にはならない。
また、個人が自家用の家財を売っても、事業として行った取引ではないから消費税は課税されない。
尚、法人はそもそも事業活動を行う目的で設立されたものであるから、その行う活動は全て事業に該当する。
2.輸入取引
保税地域から引き取られる外国貨物には、消費税が課される(消法第4条第2項)。
この場合、課税対象になる取引は、国内取引の場合のように「事業として対価を得て行われる」ものに限定されない。
即ち、保税地域からの外国貨物の引取りが事業として行われないものであっても、また外国貨物の対価が無償であっ
ても、いずれも消費税の課税対象になる。
したがって、個人が趣味の物品を外国から輸入したような場合であっても、消費税が課税されることになる。
上記の記述は、2012年4月14日現在の法令・通達等に基づいています。その後の税制改正や個別事情により、異なる課税関係が生じる場合がありますのでご注意ください。
2012.4.14