債権の貸倒れを装った脱税は、どのように行われるのか。

債権の貸倒を装った脱税は、どのように行われるのか。


売掛債権等について、得意先の倒産等による貸倒れの事実が発生していないにもかかわらず、

回収不能であると偽って債権を貸倒処理する不正行為である。脱税行為であり、重加算税の対象になる。


 産業廃棄物処理業を営むA社は、当事業年度において、固定資産売却により多額の利益が発生した。A社は、かねてから懇意にしている得意先B社に対して5,000万円の売掛金を有していたが、B社に債務超過等の事実がないにもかかわらず、債務免除をする旨の内容証明郵便を送付し、B社に対する売掛金を貸倒れ損失として処理した。

 その後、A社の社長である甲は、B社から貸倒処理した売掛金に相当する現金を甲の個人名義の預金口座に振り込ませることにより実質的に売掛金を回収した上、不正に加担した謝礼として回収額の1割相当額の現金をB社の社長である乙に支払った。

 

 税務調査で、B社の法人税等の申告状況を調査したところ、B社は債務超過の状態にはなく、わずかではあるが法人税の納税までしていることが明らかとなり、A社の貸倒れ損失は架空ではないかとの疑いが生じた。また、甲の預金口座を調査したところ、相手先不明の売掛金相当額の入金が確認された。さらにB社に対する反面調査により、不正が発覚した。

 

(参考資料)

1. 金銭債権が切り捨てられた場合

   次に掲げるような事実に基づいて切り捨てられる金額は、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入される。

(1) 会社更生法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、会社法、民事再生法の規定により切り捨てられる金

  額

(2) 法令の規定による整理手続によらない債権者集会の協議決定及び行政機関や金融機関などのあっせんによる協議

  で、合理的な基準によって切り捨てられる金額

(3) 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができない場合に、その債務者に

 対して、書面で明らかにした債務免除額

2.省略

3.省略

(基通9-6-1) 

 

2011.10.20