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5,000円以下の交際費の損金算入の条件と、税務署が不正を発見する方法は?

 

Q21

  1人当たり5,000円以下の飲食費は、税務上交際費にならないそうですが、この適用を受けるための条件を教えて 

 ください。また、接待の参加人数を水増しして1人当たりの飲食費を5,000円以下にした場合、税務署はどのように 

 して不正を発見するのですか。

 

 

 法人が支出する交際費のうち、一定の損金算入限度額を超える金額は損金の額に算入されません。

 ところが、この制度の特例として、飲食費のうち1人当たりの金額が5,000円以下のものは損金の額に算入できることとされています。

 この特例は1人当たりの飲食費から5,000円部分を差引けるというものではなく、飲食費が1人当たり

5,000円以下であれば全額損金の額に算入できますが、逆にその飲食費が1人当たり5,000円を超えた場合には、その飲食費全額が損金の額に算入されないことになりますから注意が必要です。

 

                  1人当たり5,000円以下  → 全額損金算入

                  1人当たり5,000円超   → 全額損金算入

 

 また、この特例はあくまで「飲食費」について認められているもので、手土産代や商品券など飲食費以外の交際費について認められているものではありません。

 特例の適用を受けるためには、次の事項を記載した書類を保存しておくことが条件とされています(飲食費の領収書の裏面に記載するなどの方法によることもできます)

 

 ① 飲食等のあった年月日
 ② 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係 
 ③ 飲食等に参加した者の数
    ④ 飲食費の金額並びに飲食店、料理店等の名称及び所在地
 ⑤ その他参考となるべき事項

 ところで、1人当たりの飲食費を5,000円以下にするために、参加人数の水増しが行われることがあります。税務調査では、飲食を行った店の平均的な客単価や、接待等の相手先との関係性などから不正が発覚する場合が多いようです。また、領収書に記載されている「お通し」の数と、会社が保存している書類にある参加者の数が異なることから不正が発覚することもあります。

 参加人数の水増しは、会社の意思で行われる場合と、接待を行った従業員の意思で行われる場合とがありますが、いずれも仮装・隠蔽と認定され重加算税の対象となります。


2012.7.7

         

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