「課税売上高1,000万円以下は免税」という時代が終わりに近づいています。平成23年度の税制改正では、消費税について2つの大きな改正が行われます。
1.課税売上高1000万円以下の免税制度に新たな制約が!
現行の制度では、前々年(基準期間)の課税売上高が1000万円以下の事業者はほぼ無条件に消費税が免税とされています。
ところが、平成25年1月1日以後に開始する事業年度からは、基準期間の課税売上高が1000万円以下であっても前年の上半期の課税売上高が1000万円を超えた場合には免税とならず、消費税が課税されることになりました。
改正により、新規に会社を設立した場合は資本金等の条件を満たせば、設立以後2年間は消費税が免税になるとい
う、いわば常識となっていた制度上の恩恵が大きく制約されることになります。
2.仕入税額控除の95%ルールに新たな制限
現行の制度では、全体の売上高のうちに占める課税売上高の割合(課税売上割合)が95%以上の場合は、消費税額を計算する上で課税仕入等に係る消費税額の全額を控除することができます。
ところが、平成24年4月1日以後に開始する課税期間からは、課税売上高5億円超の事業者については、この全額控除が認められないことになります。この場合は、課税仕入等に係る消費税のうち課税売上に対応する部分だけしか控除が認められません。
課税売上高が5億円を超える事業者で、居住用の貸家からの家賃収入など非課税売上高が比較的大きい場合は、非課税売上に対してかかった諸経費を消費税の計算上控除できなくなり、新たな税負担が生じることが懸念されます。
2011.2.1