NO.20 またまた増税!課税売上高5億円超の企業に新たな消費税の負担

 平成23年度税制改正では、消費税の「95%ルール」の見直しで課税売上高5億円超の企業に新たな税負担が発生します。

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<現状の消費税のしくみは?>

 消費税は、売上にかかった消費税(取引先等から預った消費税)から、支払いにかかった消費税(取引先等に預けた消費税)を差しいた差額を国に納付するしくみになっています。

 

 この場合、売上高の中に非課税の売上高が含まれている場合でも、課税の対象になる売上高が売上高全体の95%以上であれば、仮に支払いにかかった消費税の中に非課税売上に対応する部分があっても、その全額を課税売上にかかった消費税から差しいて消費税の計算をすることができます。

 

 たとえば、物品販売業を行っているA社が、サイドビジネスとして居住用の住宅を賃貸して家賃収入を得ている場合

(居住用の家賃収入は非課税です)、物品販売業の売上高が家賃収入を含む全体の売上高の95%以上であれば、貸家の修繕費などにかかった消費税も物品販売業の仕入などにかかった消費税といっしょに差しいて消費税を計算することができます。これが95%ルールです。

 

<改正で95%ルールが適用されなくなる>

 平成23年度税制改正では、この95%ルールの見直しが行われ、平成24年4月1日以後に開始する事業年度から、課税売上高5億円超の企業については95%ルールが適用されなくなります。 

 

 こうなりますと、非課税売上がある企業は、今までのように支払いにかかった消費税を全額差引いて消費税の計算をすることができなくなります。具体的には、支払いをその内容によって課税売上に対応する部分と非課税売上に対応する部分とに分けて経理を行い、そのうち課税売上に対応する部分にかかった消費税だけを差しいて消費税の計算をすることになります。

 

 この場合、差引かれる消費税の計算方法には「個別対応方式」と「一括比例配分方式」とがあり、有利な方を選択することができますが、一括比例配分方式は一度選択すると2年間継続して適用しなければなりません。

 

<影響を受ける企業は?>

 主に居住用家屋の賃貸を行っている不動産管理業など、改正前から課税売上の割合が95%未満の企業はすでに

95%ルールが適用されていませんから、改正による影響は受けません。

 

 したがって、改正で影響を受けるのは次の条件に当てはまる企業ということになります。

 

  〇 課税売上高が5億円超であること

  〇 非課税売上が全体の売上の5%未満であること

 

 非課税売上とは、居住用の家賃収入や、土地の譲渡や貸付、商品券・テレホンカードの販売などによる売上ですが、これらの売上がない場合でも預金の利子収入なども非課税売上に含まれますから、殆どの企業は改正の影響を受けることになると思われます。

 

 今回の改正は、95%ルールを適用することにより、消費者が負担した消費税の一部が企業の手元に残る、すなわち「益税」の問題を解消するための措置と言われていますが、事業規模が大きい企業の場合は相当額の税負担が予想され、企業の運営に与える影響は無視できないものとなっています。

国内にある、長期所有の土地等、建物 又は構築物(所有期間10年超のもの)

国内にある、土地等、建物、 構築物又は機械装置


 この制度は、あくまで課税の繰延べであって、税金の減免措置ではありません。つまり、遠い将来、買換えた事業用

資産を売却等した時に最終的に課税されることなるのですが、老朽化したマンションを買換えたり、現在の事業用資産を処分して新しい事業を始めようとする場合には、とりあえず譲渡所得に対する課税を将来に先延ばしでできることから広く利用されてきました。

 

<特例は12月31日で打ち切り。延長なし>

 ところで、この便利な特例は、平成23年12月31日で期限切れを迎えます。不動産の流通が滞る中で、平成24年以降も特例の延長が期待されていましたが、平成23年度の税制改正では、この特例が延長されることはありませんでした。

 したがって、平成23年1月1日において所有期間が10年を超える事業用の土地等又は建物等を所有していて、この特例の適用を受けようとする人は、平成23年12月31日までにその土地等又は建物等を譲渡する必要があります。

 平成24年以降に売却を予定していた人が、この特例の適用を受けるために平成23年に繰り上げて売買契約を結ぶケースも見られます。 

2011.10.11

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