NO.40 マイナンバー制度導入間近!会社は今、何をすればよいのか?

 マイナンバー制度の導入を目前に控えた今、会社は何をすればよいのでしょうか。

 制度が導入されることによって、事務負担が大幅に増えることが予想されます。対応を先送りすればするほど事務負担が一層増幅されそうです。制度が成立した以上、マイナンバー制度導入後も会社の事務が円滑に進むように、今のうちからしっかり準備を整えておきたいものです。

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1.マイナンバー制度の概要

 マイナンバー制度は、住民票を有する全ての国民と法人等に対して番号を付し、税金・社会保障・災害対策の分野において行政の運営を効率的に行おうとするものです。

 マイナンバー制度導入後は、税務署等に提出する申告書や届出書などにはマイナンバーを記載しなければならなくなります。制度が導入されると、申告書などの様式もマイナンバーの記載欄が設けられたものに変わります。

 また、会社は年末調整などを行うために、従業員から毎年「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出を受けますが、これにも、従業員本人はもとより「控除対象配偶者」や「控除対象扶養親族」についてもマイナンバーの記載が必要になります。

 

2.マイナンバーは、いつからどの書類に記載すればよいのか

 上記のように、今後は税務署等に提出する書類にはマイナンバーを記載しなくてはならないのですが、それではマイナンバーは、いつから、どのような書類に記載すればよいのでしょうか。次の表をご覧ください。

国内取引の判定の基準<参考>

源泉徴収票

平成28年分から (平成28年の年末に従業員等に交付するものから)

*平成28年中の退職者については、

退職時に交付する源泉徴収票にマイナンバ-の記載が必要になります。

①扶養控除等申告書

平成28年分から (平成28年1月1日以降従業員等から提出を受けるものから)

法定調書 平成28年分から (平成29年1月31日までに提出するものから)
法人税申告書 通常は平成28年12月決算法人から(平成29年2月28日までに提出するものから)
所得税申告書 平成28年分から (平成29年3月15までに提出するものから)
消費税申告書 法人 通常は平成28年12月決算法人から(平成29年2月28日までに提出するものから)
個人 通常は平成28年分から (平成29年3月31日までに提出するものから)
②申請書・届出書 平成28年1月1日以降提出すべき申請書・届出書から

 このように、マイナンバーの記載が必要な申告書等の多くは、平成28年の年末か、平成29年1月以降に提出するもの(上表の太字の部分)になります。

 平成28年の初めからマイナンバーを記載しなければならない書類は、税務に限って言えば、①平成28年分の扶養控除等申告書と、②申請書・届出書(上表の赤字部分)だけになります。

 

3.平成28年分の扶養控除等申告書にはマイナンバーの記載を!

 マイナンバー制度への対応について実務的に煩雑なのは、年末調整等の事務を行うために、会社が従業員等からマイナンバーを提供してもらわなければならない点です。

 源泉徴収票へのマイナンバーの記載自体は、平成28年の年末に交付する源泉徴収票からでよいわけですから、まだ1年以上の猶予があります。しかし、平成28年分の扶養控除等申告書は平成28年の初めに従業員等から提供を受けなければなりません。

 したがって、事務処理を円滑に進めるためには、平成27年中に従業員等からマイナンバーの提供を受けておく必要があります。具体的には平成27年分の年末調整事務の流れの中で、従業員等に平成28年分の扶養控除等申告書にマイナンバーを記載してもらい、これを会社が収受することになります、

 

4.では、今何をしなければならないのか

 そうしますと、会社が差し当ってしなければならないことは、平成28年の初めに従業員等から提出を受ける、平成28年分の扶養控除等申告書にマイナンバーを記載してもらい、これを会社で保管するということになります。

 しかし、マイナンバー制度が必ずしも国民に周知されているとはいえないなかで、会社が従業員等からマイナンバーを収集することは必ずしも容易ではありません。

 そこで、市区町村からマイナンバーが通知される前に、会社は先手を打って従業員等にマイナンバーの提供を求める必要があることを周知しておくのがよいでしょう。

第一段階 (平成27年9月中) 従業員等に対して、マイナンバーの提供が必要なことを周知します

〔従業員等に対する周知の書面(例)〕

社員の皆様へ

 

マイナンバー提供のお願い  

○ ○○○○株式会社

    総務部長 ××××

 

平成27年10月以降、市区町村から皆様の住民票記載の住所に、

マイナンバーが記載された「通知カード」が簡易書留で送られます。

 平成28年以降は、会社が作成する公的な書類(源泉徴収票を含みます)には、

マイナンバーを記載しなければなりません。

 したがいまして、会社といたしましては、

社員の皆様やご親族の皆様のマイナンバーを届出ていただく必要がございます。

 具体的には、当年11月頃に皆様に配付させていただく予定の「平成28年分の扶養控除等申告書」に、

社員の皆様及び扶養親族等の方々のマイナンバーを記載していただくことになります。

 市区町村から郵送される「通知カード」は、くれぐれも大切に保管していただきますようお願い申し上げます。

 

 尚、ご提供いただきましたマイナンバーは、

税及び社会保障に関する書類の作成事務を処理するために必要な場合に限り使用させていただき、

他の目的に使用することはございません。

第二段階 (平成27年10月~) マイナンバーを記載した「通知カード」等が送付されます

<個人のマイナンバー(個人番号)>

 個人番号は12桁で、市区町村から個人番号が記載された「通知カード」が住民票記載の住所に送られてきます。

<法人のマイナンバー(法人番号)>

 法人番号は13桁で、国税庁から書面により、登記上の本店宛に通知されます。

第三段階 (平成27年11月~) 平成28年分扶養控除等申告書により従業員のマイナンバーを収集します

 規定では、平成28年1月以後に提出する扶養控除等申告書から個人番号を記載することになっていますが、実務上会社は平成27年分の年末調整の際に平成28年分の扶養控除等申告書の提出を受けますから、27年分の年末調整事務の流れの中で個人番号の提供を求めるのが合理的でしょう。

 

<本人確認について>

 会社は、個人番号の提供を受ける際に本人確認が義務付けられています。本人確認は、従業員等から次の書類を提示してもらうことによって行います。会社は、これらの書類をコピーして保存することができますが、コピーした書類は厳重に管理しなければなりません。

 

  尚、従業員等の扶養親族等の本人確認は、従業員等本人が行います。会社が行う必要はありません。

  ● 通知カード及び運転免許証等

  ● 個人番号カード(注)

   (注) 個人番号カードとは、本人が市区町村に申請して、通知カードと引換に交付を受けるカードです。

これがあれば、運転免許証等の提示は不要です。

 

5.マイナンバーを記載しなかったらどうなるのか?

 では、マイナンバーを記載しないで税務署などに書類を提出した場合はどうなるのでしょうか。

 まず、マイナンバーを記載しなくても、申告書や届出書などが無効になるということはありません。申告書等自体は有効ですし、税務署等もマイナンバーの記載のない申告書等でも受理してくれます。

 しかし、このような場合でもマイナンバーを記載できなかった理由を会社に記録として残しておくことは必要になるでしょう。

2015.8.25

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