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多額の設備投資をしたので、消費税の還付を受けたい。注意点は何か。

 資本金500万円の株式会社を設立して、建設用機械の製造を行なう予定だが、第1期目に工場の取得など多額の設備投資が必要である。消費税の還付を受けたいが、通常の消費税の確定申告書を提出すればよいのか。 


「消費税課税事業者選択届出書」を提出しなければならない。

        

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 会社を設立した事業年度に多額の設備投資を行う場合は、消費税の還付を受けることについて特に注意が必要である。質問の場合のように工場を取得するケースのほかに、貸しビルを取得して不動産の賃貸を行なうケースもある。いずれにしても、設備投資が多額になるので、課税仕入れに係る消費税額も多額になるが、この消費税額について還付を受けられるか否かは、会社の資金繰りに少なからず影響を及ぼす。

 通常の場合、新設法人の資本の金額が1000万円未満であれば設立から2年間は消費税の納税義務はない。

 納税義務があるのは、基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1000万円を超えている場合であるが、新設法人にはそもそも基準期間自体がないから納税義務がないのである。

 しかし、この場合新設法人は納税義務がないかわりに仕入税額控除もできないから、消費税の還付が受けられない。

 消費税の還付を受ける代表的な事業者には、質問のような多額の設備投資をする事業者の他に輸出を行なう事業者がある。いずれにしても、これらの事業者が消費税の免税事業者に該当するときは、消費税課税事業者選択届出書を提出して、課税事業者を選択しておかなければ消費税の還付は受けられない。

 届出書は、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに所轄の税務署に提出する必要がある。ただし新設法人の場合はその適用を受けようとする課税期間中に提出すれば良い。

 一旦この届出書を提出すると、2年間は課税事業者として拘束されるから、初年度に有利であっても翌年度は不利になる場合もある。利害得失をよく吟味して選択しなければならない。

上記の記述は、2010年1月29日現在の法令・通達等に基づいています。その後の税制改正や個別事情等により、異なる課税関係が生じる場合がありますのでご注意ください。

2010.1.29

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永井・山川税理士・会計事務所

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