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大法人の孫会社は、親会社が資本金1億円以下の場合少額減価償却資産(30万円未満)を損金算入できるか。

 当社は資本金3000万円の食品加工業を行う法人であり、資本金500億円のA大規模法人の傘下にあるが、株式は全てA社の子会社であるB社(資本金7000万円)が所有している。

 即ち、

 A社(資本金500億円)

 B社(資本金7000万円)

<中間持株会社>

 当社(資本金5000万円)



  ところで、当社は当事業年度において取得価額25万円の機械を購入したが、措置法第67条の5第1項により、この機械を少額減価償却資産として全額当事業年度の損金の額に算入できるか。


 損金の額に算入できる。

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 中小企業者が、一定の期間内に取得価額が30万円未満の減価償却資産を取得して事業の用に供したときは、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができる(損金算入できる金額は、一事業年度において年額300万円を限度とする)。

 

 ここに中小法人とは、資本金の額が1億円以下の法人をいうが、資本金1億円超の大規模法人に発行済株式の総数の2分の1以上を所有されている法人等一定の法人は、中小企業者の範囲から除かれる。

 

 質問の場合、当社の直接の株主は資本金7000万円のB社であるが、その親会社であるA社は資本金500億円の大規模法人である。即ち、当社の直接の親会社であるB社は中小企業者であるが、当社は間接的に大規模法人であるA社に発行済株式の2分の1以上を所有されていることになる。

 

 このような場合に、措置法第67条の5第1項の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例が適用できるかが問題となる。中小企業者の定義は措置法42条の4第6項によるが、ここでは資本の所有関係からみて次の2つのケースを、資本金が1億円以下であっても中小企業者に該当しないものとして掲げている。

 

 ① 発行済株式総数等の2分の1以上が同一の大規模法人の所有に属している法人

 ② 発行済株式総数等の3分の2以上が大規模法人の所有に属している法人.

 

 ここでは、発行済株式総数等のうち一定割合を大規模法人に直接所有されているか否かをもって中小企業者の適否を判定しているのであり、さらに上位の親会社が大規模法人であるか否かは問題としていない。

 

 したがって、同族会社や企業支配株式の判定の場合とは異なり、親会社間の持ち株関係(A社とB社との持ち株関係)は考慮せずに中小企業者の判定を行う結果、当社は中小企業者に該当し、少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用を受けることができる。

 

上記の記述は、2011年10月26日現在の法令・通達等に基づいています。その後の税制改正や個別事情等により、異なる課税関係が生じる場合がありますのでご注意ください。

2011.10.26

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