社長の役員報酬の一部を未払にしているが、「定期同額給与」と認められるか。

 株主総会で社長の役員報酬を月額100万円と定めている3月決算の法人だが、資金繰りが悪化したため、前年の10月以降この内30万円を未払としている。 

 この結果、実際に支払った役員報酬は10月以降70万円に減少したが、差額を未払金としているため毎月100万円が損金経理されている。

 この場合、役員報酬月額100万円全額が「定期同額給与」として法人税法上損金算入が認められるのか。


認められる。


 平成18年の税制改正で、役員に対して支給する給与は原則として法人税法上損金の額に算入されないこととなったが特例として「定期同額給与」がある。

 定期同額給与とは、通常1ヶ月ごとに同額を支給する給与であり、上記の原則にかかわらずその法人の所得の金額の計算上損金の額に算入される(法法第34条①一)。

 即ち、役員報酬を毎月同額で支給していれば損金算入できる訳だが、ここで「同額」の意味が問題になる。

 会社は、役員報酬の全額又は一部を未払とすることがあるが、資金繰り等の事情からやむを得ない理由によることが多く、このような場合実際の支給額が減少したからといってこれを「同額」と認めないというのでは実情に合わない。

 したがって、役員報酬の一部を未払とした場合であっても、株主総会等で決議された金額を損金経理しているのであれば、税務上も未払部分を含む役員報酬の全額を損金算入して差支えない。

 

 但し、例えば期首から100万円の役員報酬を支給してきたが、事業年度の中途で増益が見込まれたため、株主総会議事録を改ざんし、期首に遡って毎月50万円の未払金を追加計上して所得を調整するようなことも行われるが、これは違法行為であり、税務調査で発見されると重加算税の対象となる。

 特に未払の役員報酬が相当額あり返済が定期的に行われていない場合は、役員報酬の遡及追加計上を疑われることがあるから注意を要する。

上記の記述は、2010年5月29日現在の法令・通達等に基づいています。その後の税制改正や個別事情等により、異なる課税関係が生じる場合がありますのでご注意ください。

2010.5.29